European Championship 1454166 640

海外と比較した日本の相続税について

相続が発生する際に最も頭を悩ませるのが『相続税』ですね。

せっかく親が残してくれた財産なのに、高額な相続税で目減りしてしまったり、相続するために多額の現金を用意する必要があると思うと、頭を痛めるのは当然でしょう。

ところで、最近マスコミでは消費税率がアップして海外の消費税率との比較が取り上げられていましたが、相続税はどうなんでしょうか?

海外の相続税を取り上げながら、日本の相続税について考えてみましょう。

日本の相続税率の高さは世界一位!

まずは怖い現実を知りましょう。

日本の相続税率は世界一高いのです。

最高税率はなんと55%!

単純計算で相続財産の半分が相続税の支払いに消えると思うと「せっかく親が残してくれた財産が税金で消えた」とやるせない気持ちになるのでは?

日本の相続税率が高い理由は、やはり国の経済的な事情にあるでしょう。

様々な税金を課しても高齢化社会を支えることができない日本の懐事情では、高額なやり取りがある相続や贈与に高い税金を課せられることは致し方がないのでしょう。

2015年1月1日からは基礎控除額の引き下げが施行されて、一部の富裕層が対象だった相続税が、厳しい意味で身近なものになってしまいました。

たとえば、親が死亡して子ども2人が相続する場合、これまでは非課税控除額が7,000万円だったところ、改正によって4,200万円まで引き下げられました。

改正前、日本全体で相続税を支払う人の割合はわずか4%でしたが、今回の改正前でかなりの方が相続税の支払い対象になってしまうでしょう。

相続税対策で海外へ移住?

日本の相続税が高いことをお話ししましたが、では海外ではどうなっているのでしょうか?

主要国のうち、日本についで相続税が高いのはイギリス、フランスですが、その負担率は20%未満。

アメリカにいたっては10%未満です。

なんと、海外には相続税が全くかからない国もたくさんあります。

馴染みのある国を挙げればシンガポール、オーストラリア、香港、スイス、モナコ、マレーシア、タイなど、多くの国では『相続税』という税金自体が存在しません。

そこで相続税を軽減したい富裕層が考えるのが『海外移住』です。

国内の全財産を処分して相続税がない国に移住することで財産を守るわけですが、これには非常に高いハードルがあります。

それは「相続人と被相続人が、それぞれ海外へ移住して5年以上経過していること」。

国内で財産を築いている富裕層には地主が多く、代々受け継がれた土地を全て処分して海外移住するには抵抗が強いでしょう。

また、遺産を残す親世代ならまだしも、相続人の世代はまだまだ働き盛り。

相続税対策のために全てを投げ捨てて海外へ移住することは難しいでしょうね。

アメリカへの移住は有効?

相続税の税率が低く、仕事などでも経済基盤が築きやすいアメリカに移住する人がいます。

アメリカでは遺産を相続する際に遺言書か信託(『トラスト』と呼びます)を作成するのが一般的ですが、先ほど紹介した「相続人と被相続人がそれぞれ海外に移住して5年以上経過していること」という条件を知らないままで遺言書や信託を作成してしまうケースが見受けられます。

いくらアメリカで遺言書やトラストを作成しても、被相続人が日本に在住していたり、海外に移住して5年未満だったりすれば、日本の法律に準じて押す俗税が課税されることになります。

主要国のうち最も相続税が低いことから、国内の財産を全て処分してアメリカに移住することは財産を保護するうえでは有効な手段ですが、相続人と被相続人の移住という高いハードルを越える必要があることを理解していないとムダになることを忘れないようにしておきましょう。

まとめ

海外と比較して日本の相続税が高いことを紹介しました。

おさらいしておきましょう。

  •  日本の相続税は最高税率55%、主要国の中でも世界一位
  •  2015年1月1日からの改正で相続税の基礎控除額が少なくなり、これまでは富裕層が支払う税金というイメージだった相続税が身近なものになった
  •  海外には相続税が存在しないという国もあり、国内の財産を処分して海外に移住しようと考える富裕層が増えた
  •  海外に移住した場合「相続人と被相続人がそれぞれ海外に移住して5年以上経過していること」という条件があり、この条件を満たさないと日本の相続税が課税される

今後、相続税がさらに身近なものになるにつれて、相続税対策で海外への移住を考える人が増加するかも知れません。

日本と移住先、それぞれの相続税の仕組みをしっかりと理解しておかないと、徒労に終わってしまうおそれがあるので、計画段階でしっかりとしたプランニングをすることが大切ですね。