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債権の相続について

被相続人が売掛金や貸付金等の債権を有していた場合には、その債権も相続の対象となります。

では、その債権の相続とは、一体どのようなものなのでしょうか。

以下で解説します。

債権の相続について

例えば、1,000万円の貸付金を有する者が亡くなったとします。

この貸付金は債権に該当しますが、債権も相続財産に含まれるので、相続の対象となります。

この債権については、所有者が変わっても、登記や登録の手続きは不要です。

しかし、後々のトラブルを防止するために、遺産分割協議書を作成したうえ、債権を相続した相続人が、債権証書の引き渡しを受けておく必要があります。

債権を相続した場合には時効消滅に注意する

債権を相続する場合に気をつけなくてはならないのは、時効の問題です。

貸付債権の時効は、営業上のものは5年、その他のものは10年で時効消滅します。

よって、債権を相続した後に、債務者に支払いを請求するとか、債務の確認を求める等の時効中断の措置をとらない場合には、相続した債権が時効で消滅する場合もあります。

なお、相続人が確定した時から6か月間は、債務の時効の猶予されますが、それ以後は時効期間が進行しますから、時中断手続きを忘れていると、大損することがあります。

相続した債権が回収できない場合の損失は相続人全員で負担する

貸付金の場合、債務不履行という問題があります。

例えば1,000万円の貸付金を相続しても、債務者が自己破産したりして借金の棒引きがあると、相続人が実際に獲得できる利益は半分の500万円とか最悪0円となります。

よって、現金や不動産を相続する場合よりも、債権を相続することは、相続人にとって不利益であるということができます。

相続した債権が回収できない場合の損失負担の例について

民法では、債務不履行があった場合には、相続人全員がその相続分に応じ、債務者の資力不足を引き受けなくてはならない、と規定しています(民法第912条)。

よって、例えば、被相続人Aで、相続人が配偶者B、子C、Dという相続で、相続財産は、Bが1/2、C、Dが各1/4ずつ相続したとします。

ここで、Cの相続分には、被相続人Aの債務者Xに対する1,000万円の債権が含まれていたとします。

しかし、相続開始直後に、Xが自己破産してAからの借入金全額の債務免除を受けたため、Cが相続したAの貸金債権は0円となったとします。

通常の貸付債権であれば、C1人が1,000万円の損失を引き受けることになります。

ところが、相続の場合は、民法第912条の規定があるため、この1,000万円の損失は、相続人全員が相続分に従って引き受けます。

この例でいうと、Bは1,000万円×1/2=500万円、Dが1,000万円×1/4=250万円の損失を引き受けますので、Cは、Bに500万円、Dに250万円の請求ができます。