リフォームを使った相続税対策について
不動産を活用した相続税対策には様々なものがありますが、その内の1つとして住宅リフォームを活用したものがあります。
そこで、以下では、このリフォームを活用した相続税対策について解説します。
何故リフォームが相続税の節税対策となるのか
例えば、1,000万円で住宅のリフォーム(増改築)を行ったとします。
リフォーム後に、リフォームを行った被相続人が死亡し、相続が開始すると、リフォームを行った住宅の改築による価格上昇分は100%、相続税評価の上昇には反映されません。
国税庁が平成25年11月1日に公表した質疑応答ではリフォームよる住宅等の価格上昇分は、原則として、その建築費用の70%を相続税評価に反映するとしています。
つまり、1,000万円でリフォームを行っても、それが住宅評価額を上昇分させ、相続税評価が引き上げられるのは700万円だということになります。
リフォームを行わないで現金で保有していた場合には1,000万円が相続財産となりますが、そのお金でリフォームをした場合には、それが700万円の相続財産に代わります。
最近の改正で住宅リフォームの節税効果は減少した
この質疑応答が出される前までは、リフォームによって住宅価額が上昇した場合のその上昇分は、相続税の非課税扱いとなっていました。
その為、余分な資金で次々住宅リフォームを行い、相続財産を大幅に減らすことが可能だったので、住宅リフォームを活用した相続税対策が一時大流行となりました。
しかし、平成25年に出された上記の質疑応答によって、リフォームによる住宅価値の増加分の7割程度が相続税の課税対象となることになりました。
その結果、住宅リフォームによる節税効果は大きく減りましたが、それでも、住宅リォームを行えば、リフォーム代金の3割程度は相続財産を減らすことができます。
住宅リフォームによる相続税の節税対策のメリット
相続税対策には様々な方法がありますが、その中でも、住宅リフォームは、節税をしながら、相続人たちに住宅改良というメリットを与えることができる一石二鳥の方法です。
不動産投資なども有効な相続税対策となりますが、相続人にとっては、節税以外にそれほど大きなメリットはありません。
しかし、リフォームの場合には、相続人が相続後もその住宅に住み続けることを前提とすれば、相続人たちに住宅改良という目に見える大きな利益を与えます。
どうせ税金でもっていかれるよりも、住宅をリフォームして相続人から末永く感謝された方が、はるかに良いことだと言えます。
このように、住宅リフォームによる相続税の節税対策は、他の対策にはない独特のメリットがあります。