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不動産は相続前と相続後のどちらに売却するべきか?

相続前に不動産を売却した場合と、相続後にそれをした場合に、どちらが税金が安くなるかということについては、土地と売却に係る譲渡所得税と相続税についてよく検討する必要があります。

そこで、以下では、それらの税金を検討するとともに、相続した不動産を売却する場合のベストタイミングについて解説します。

相続後の売却であれば相続後3年以内が売却のタイミング

相続後に相続した不動産を売却する場合のベストタイミングは、相続開始から3年以内となります。

というのは、相続開始から3年以内に相続した不動産を売却する場合には、その相続の際に支払った相続税額の一部を、譲渡所得税の計算の際に譲渡所得から控除できるからです。

譲渡所得税は、譲渡した資産の対価として受け取った代金から、譲渡資産の取得費や譲渡費用、一定の控除額を控除した価額に、原則20%の税率を乗じて計算します。

相続後3年以内の譲渡であれば、譲渡不動産を取得した際に支払った相続税の一部が取得費として認められ、その分、譲渡所得税税が安くなるのでお得になります。

不動産の売却は相続前と相続後のどちらがよいか

不動産売却のタイミングは、相続前と相続後のどちらが良いかということについてですが、これは一概には言えません。

まず、相続前の不動産の売却の場合、被相続人に対して、原則として、売却によって得た代金から取得費、譲渡費用を控除した譲渡所得に20%を乗じた譲渡所得税が課税されます。

売却代金は、被相続人の手元に残りますが、被相続人がこれを使わなかった場合には、相続財産となり、相続税の対象となります。

一般的には、不動産の相続税評価額は時価の60%~80%程度とされていますから、現金に換金した場合、それを不動産のままにしておくよりも相続税評価額がより高くなります。

よって、その分、相続税の支払額が大きくなります。

一方、相続後の売却の場合、相続人はまず相続税を支払い、次に譲渡所得税を支払います。

相続人に課税される譲渡所得税も、原則として、売却による収入から取得費用と譲渡費用を控除した譲渡所得に20%を乗じた金額で課税されます。

一般的には、相続前に不動産を売却しても、相続後に不動産を売却しても、被相続人や相続人全員が支払う税金の総額は、それほど変わらないとされています。

しかし、生前売却の場合には、相続人は相続税のみ支払えばよく、譲渡所得税の支払は不要です。

また、譲渡所得税は1人で全額を負担しますが、相続税は、相続人全員が相続した財産に基づいて按分して支払います。

このことを考えると、相続人にとっては、生前売却の方が、税の負担がより少ない方法だということができます。

居住用財産の譲渡所得税3,000万円特別控除について

居住用の土地や建物を譲渡した場合には、譲渡所得税の計算の際に、3,000万円の特別控除が利用できます。

よって、売却の対象となる不動産が居住用不動産であれば、3,000万円まで非課税で売却できます。

この特例は、相続前でも相続後でも、居住用財産の売却である限りは適用できまるので、利用できる場合には、欠かさずに利用したい制度です。