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マンション適地について

一定面積以上の土地を相続によって取得した場合、広大地評価といって、当該土地の相続税評価を軽減する特例の適用を受けることができます。

しかし、当該特例は、対象地がマンション適地に該当すると、適用できなくなります。そこで、以下では、このマンション適地について解説します。

マンション適地が問題となるのはどういう場面か

広大地評価とは、一定規模以上の面積を有する宅地の相続税評価を、その本来の評価額の35%~54%とする評価の特例のことをいいます。

上記の一定規模以上の面積とは、基本的には、宅地造成の際に道路や公園の整備も並行して必要となる面積である1,000㎡(一部地域では500㎡)以上となります。

しかし、広大地補正は、中高層の集合住宅等の敷地用地(いわゆるマンション適地)として適している土地には適用できないことになっています。

よって、広大地評価が適用を検討する場合には、必ず対象地がマンション適地でないことを確認する必要があり、そのため、ここでマンション適地が問題となります。

どのような土地がマンション適地か

相続した土地がマンション適地に該当するか否かを確認するためには、まず、相続した土地の周辺の土地の状況を確認します。

例えば、その宅地が駅に近ければマンション適地に該当する可能性が高まりますし、また、周辺にマンションが複数建築されている場合も同様です。

次に、その土地が属する地域に設定されている建築基準法上の規制を確認します。

建築基準法では、各地域ごとに、その地域の宅地に立てることができる建物の敷地に対する延べ床面積の上限(指定容積率)を設定しています。

マンションを建てるためには、その指定容積率が一定以上の水準である必要があります。

建築基準法上の規制を確認し、その土地が含まれる区域の指定容積率でマンションの建築が可能かどうかを調べる必要があります。

指定容積率がマンション建築を可能にする水準であったとしても、例えば、対象地の全面道路の幅員が非常に狭いような場合には、当該地はマンション適地とは言えません。

なお、建築基準法には、指定容積率の他、日影規制や道路斜線規定、隣地斜線規定など、この他様々なマンション建築に関する規定がありますから、それらも確認しておきます。

マンション適地かどうかで迷ったときは専門家に相談を

広大地評価が適用されれば、その対象となった土地の相続税評価額を最大で65%減額することができます。

よって、面積要件は満たすけれども、対象地がマンション適地に該当するか否かが微妙な場合には、税理士や不動産鑑定士に相談する方法も有効です。

専門家に相談することで、誤った判断により評価対象地をマンション適地と勘違いし、広大地評価を適用する機会を逃してしまうような事態を避けることができます。