A2bec271616c1ed5ea97586b7dbc4869 S

相続放棄した場合の相続放棄の費用に関して

相続放棄とは、被相続人の相続に関する権利の一切を放棄するという意思表示です。

この相続放棄をするには、一定の期間内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申述をしなくてはなりません。

そこで、以下では、この相続放棄に係る費用について解説します。

 

相続放棄とは

 

相続放棄とは、被相続人の相続に関する権利の一切を放棄するという意思表示のことをいいます。

相続放棄は、相続人が自己のために相続があったことを知った時から3か月の熟慮期間内に行わなくてはなりません。

この期間を過ぎると、原則として、相続放棄はできなくなりますので、注意が必要です。

なお、相続放棄は被相続人の相続に関する権利の一切を放棄するという非常に重い行為なので、相続人間の意思表示のみでは成立せず、必ず一定の手続きを経る必要があります。

 

相続放棄の手続きについて

 

相続放棄の手続きは、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることで行います。

具体的には、上記の熟慮期間内に、相続放棄申述書を家庭裁判所に提出します。

 

相続放棄申述書には、以下の事項を記入します。

(1)申述人(相続放棄をする者)の記名押印

(2)申述人の本籍、住所、氏名、生年月日、職業、被相続人との続柄

(3)被相続人の本籍、最後の住所、死亡当時の職業、氏名、死亡日

(4)相続の開始を知った日

(5)放棄の理由

(6)相続財産の概要

 

なお、相続放棄を行う者が未成年である場合には、申述人の記名押印は、その法定代理人の記名押印となります。

また、その場合には、申述書の法定代理人等の欄に、親権者や後見人の住所、氏名、電話番号等を記載します。

 

相続放棄申述書の添付書類について

 

放棄申述書には、被相続人と相続放棄行う相続人との続柄を確認できる戸籍謄本等の書面を添付する必要があります。

相続放棄をする者が相続人の配偶者や子である場合には、この戸籍謄本等の収集は比較的簡単です。

しかし、相続放棄を行う者が被相続人の父母や兄弟姉妹の場合や、代襲者が相続放棄を行う場合には、戸籍謄本の収集は相当な手間がかかります。

 

相続放棄の費用について

 

相続放棄の申述書には、手数料として、申述人1人につき800円分の収入印紙を貼付しなくてはなりません。

また、連絡用の郵便切手も必要ですが、こちらの金額については、申述書の提出先である家庭裁判所によって異なるので、それぞれの家庭裁判所に確認する必要があります。

従って、相続放棄の手続き(相続放棄の申述書の提出)の基本的な費用は、800円+連絡用切手代となります。

これに、相続放棄の申述書には、被相続人と相続放棄を行う者の続柄を証明する戸籍謄本等が必要になりますから、戸籍取得代金が発生します。

 

相続放棄の手続きを司法書士に依頼する場合の費用について

 

相続放棄の手続きは、相続の専門家である司法書士に依頼する方法もあります。

その場合は、戸籍取得等面倒な手続きを含めて一切の手続きを司法書士が代行してくれますから、その点では楽ですが、司法書士に支払う報酬が発生します。

司法書士報酬の相場は、相続放棄1件につき35,000円から50,000円となっています。

そして、相続放棄をする者が2人以上の場合には、1名につき15,000円から25,000円程度の追加料金がかかります。

相続放棄の手続きを自分で行えば、面倒なこともありますが、収入印紙代や連絡用切手代、戸籍取得代以外は無料になりますから、その点では、お得です。