海外資産の相続について
国内だけでなく、海外にも資産があるかたもいるでしょう。
この場合、海外資産の相続税はどのように評価されるかを確認してみましょう。
海外資産の相続税
海外資産であっても、相続人の住所が日本の場合は、日本の相続税がかかります。
また、日本国籍の相続人の住所がその時に日本にない場合も、被相続人か相続人の一方が、相続前の5年以内に日本国内に住所があった場合も、日本の相続税がかかります。
海外資産の評価は、基本的には財産評価基本通達によって評価されます。
ただし、通達では評価できないものは、通達に準じて評価するか、専門家の意見価格を基にして評価します。
なお、日本円への換算は、原則として、納税義務者の取引金融機関が公表する課税時点での最終為替相場により、換算します。
国外財産の調書
居住者(「非永住者」の方を除きます。)で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合には、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」といいます。)を、その年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければなりません。
なお、国外財産調書の提出制度においては、適正な提出をしていただくために次のような措置が講じられています。
1 国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置
国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、国外財産調書に記載がある国外財産に関する所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)又は相続税の申告漏れが生じたときであっても、その国外財産に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%軽減されます。
2 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置
国外財産調書の提出が提出期限内にない場合又は提出期限内に提出された国外財産調書に記載すべき国外財産の記載がない場合(重要な事項の記載が不十分と認められる場合を含みます。)に、その国外財産に関する所得税等の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その国外財産に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%加重されます。
3 正当な理由のない国外財産調書の不提出等に対する罰則
国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合又は国外財産調書を正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることがあります。ただし、提出期限内に提出しなかった場合については、情状により、その刑を免除することができることとされています。
引用元:https://www.nta.go.jp/taxanswer/hotei/7456.htm
まとめ
海外資産でも、相続人の住所が日本の場合や相続前の5年以内に、被相続人か相続人の一方が日本国内に住所がある場合、日本の相続税がかかります。
また、居住者で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合は、国外財産の調書の提出が必要になります。
国外財産の調書の提出がないと、ペナルティーが課せられるので、注意が必要です。