庭園設備の相続税評価について
庭木、庭石、あずまや、庭池等の庭園設備を所有している方が亡くなった場合には、その庭園設備の相続税税評価が必要になります。
そこで、以下では、それらの庭園設備の相続税評価の方法について解説します。
庭園設備の相続税評価の方法について
庭園設備とは、庭木、庭石、あずまや、庭池等の庭園の付属設備のことを言います。
そして、このような庭園設備の相続税評価の方法については、相続税評価の基本を定めた財産評価基本通達第3章92(3)において規定されています。
それによると、当該庭園設備の相続税評価額は、その庭園設備の調達価額の100分の70に相当する額とされます。
調達価額とは
上記の調達価額は、課税時期(相続開始時点)においてその財産をその財産の現況により取得する場合に成立する価額とされます。
例えば、庭木を購入し、植栽した直後に相続が開始した場合には、当該庭木の調達価額は、庭木の購入価額に植栽費や運送費を加算した金額となります。
一方、庭木を購入及び植栽してから長期間経過し、庭木が大きく成長してから相続が開始した場合には、庭木の購入費に植栽費用等を加算した価額は調達価額にはなりません。
その場合には、同等程度に成長した庭木を相続開始時点で市場から購入しかつ植栽した場合の費用が、調達価額となります。
庭園設備の相続税評価の流れについて
庭園設備の所有者に相続が開始し、庭園設備の相続税評価が必要な場合には、評価対象庭園設備の設置時点と現況が大きく異ならない場合には、設置費用に関する資料を集めます。
設置費用に関する資料としては、設置工事の請負契約書や、諸経費の領収書、設備の売買契約書や代金の領収証が該当します。
取集した費用から、評価対象庭園設備の取得費を計算し、必要に応じて、その価額に設置時の状態と現況の相違による修正を加え、調達価額を計算します。
最後に、その調達価額に100分の70を乗じれば、評価対象庭園設備の相続税評価額が求まります。
一方、評価対象庭園設備の設置時点と現況が大きく異なり、設置費用から調達価額を計算することが困難な場合は、現況により取得する場合の価額の計算を専門家等に依頼します。
その上で、専門家が計算した調達価額に100分の70を乗じ、当該設備の相続税評価額とします。
なお、普通の家庭には、相続税評価が必要となるような庭園設備は存在しないことが多いでしょう。
相続税評価が必要になるような庭園設備を保有するためには、相当に広い庭園を所有している必要があります。
そうすると、その相続税評価が問題となるのは、資産家等の大規模な相続である、ということになります。