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更地を使った相続税対策について

更地を所有している方がそのままの状態で相続を迎えると、相続税の負担が非常に大きくなります。

そこで、以下では、更地を持っている方ができる相続税対策について解説します。

借地権を設定する方法

更地を持っている方ができる相続税対策として有効な方法の1つは、借地権を設定して事業者などに土地を貸しつけることです。

例えば、借地権を設定した土地の相続税評価は、更地の相続税評価額から、借地権の相続税評価額を控除した価額となります。

そして、借地権の相続税評価額は、借地権が設定されている土地の更地評価額に、借地権割合を乗じた価額となります。

この借地権割合は、借地権が設定されている土地が市街地にある宅地だと、だいたい50%~90%の水準となります。

仮に、借地権割合が70%の地域にある更地に借地権を設定した場合には、相続に際して、当該土地の相続税評価を70%引き下げることができます。

借地権割合が90%であれば、相続に際して、土地の相続税評価額を更地の10%に抑えることができるので、大変な節税になります。

なお、一度借地権を設定すると、借地権者はその土地上に建物を建ててしまうことが多いので、更地に戻して返してもらうのが困難になるというデメリットもあります。

しかし、居住用不動産を既に確保しているとすれば、遊休不動産が返ってこなくても、生活に困るわけではありません。

また、相続税が払えなくてその土地を手放すリスクを考えれば、借地権を設定した土地が所有者に返却されやすくなるというデメリットは、それほど大きいものではありません。

更地に建物を建て、それを第三者に賃貸する方法

更地の上に住宅を建て、その住宅を他人に貸し出せば、その土地の相続に際して、その相続税評価を引き下げることができるので、相続税対策として有効です。

土地上の建物を他人貸し出している土地の相続税評価額は、当該土地の更地としての相続税評価額に(1-借地権割合×借家権割合)を乗じた価額となります。

例えば、評価対象地が所在する地域の借地権割合を70%、借家権割合を30%とすると、土地上の建物を他人貸し出している土地の相続税評価額は、更地のそれの79%となります。

この方法による相続税の節税効果は、借地権設定を設定した場合のそれよりも小さいですが、この方法は、土地・建物の所有権を貸し手が保有できるというメリットがあります。

小規模宅地等の特例について

被相続人が貸付事業用として利用していた土地を相続人が相続し、その土地を利用して被相続人の貸付事業を承継する場合には、相続税の小規模宅地等の特例が利用できます。

この特例は、被相続人が貸付事業に営んでいた土地を一定の相続人が相続した場合、その土地の相続税評価を200㎡まで50%までその評価を減じることができるというものです。

更地で不動産投資を行っておけば、相続があった時に、この特例を利用することで、相続税の節税が可能になります。